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直島をはじめとした瀬戸内海の島々で3年に一度開催されるアートのお祭り、
「瀬戸内国際芸術祭」。今年2016年も、春・夏・秋の3会期に分けて開催されています!
2010、2013年と2回ずつ参加しましたが、今年も瀬戸内まで行ってきました!
今回巡ったのは、大島、豊島、男木島の3島。1島ずつ感想を書いていきたいと思います。
まずは、小豆島に次いで大きな島、豊島から。
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■豊島の旅はここから出発! ー 家浦(いえうら)地区
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高松から高速船で40-50分程度。豊島の家浦港に到着です!
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(豊島は高速船で行けるので、ライフジャケットなど着用することもなくのんびりと座って行けます。
※イラストに描いた小型船は、大島にいくときのものです)
豊島は1周12km。自転車で2時間ほどでまわれますが、とにかくアップダウンが激しいんです!
前回は電動でない自転車で完全にバテてしまったため(^_^; 今回は初めて豊島を訪れたときと同じく、
”レンタカーあき”さんにお世話になりました!カーナビなどはありませんが、8時間¥5,000と非常にリーズナブルです!
レンタカーあきさん、お手製の豊島の地図をくださいました!
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(作品の場所と車を停めていい場所を詳しく書いてくださっていて、とても助かる!!)
それだけではなく、「どの作品が見たい?」「それだとだいたいこのぐらいの時間がかかるね〜」と、一緒に島めぐりプランを考えてくださいました! 当初は半日滞在の予定だったのですが、どうにも時間が足りなそうだったため丸一日豊島めぐりのプランに変更!アドバイス&臨機応変に対応いただけて本当に助かりました!
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(家浦地区には、
大竹伸朗さんの「針工場」や、
横尾忠則さんの「豊島横尾館」などがあります。)
■ 古民家のなかの作品をめぐる 甲生(こう)地区
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昨年のヴェネツィアビエンナーレ 日本館アーティスト・
塩田千春さんの「遠い記憶」や、
スプツニ子!さんの新作「豊島八百万ラボ」のある甲生地区。
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(古民家を改装してつくられた
スプツニ子!さんの「豊島八百万ラボ」。遺伝子組み換えによる目が光る蚕蛾・蛍光発光する絹をモチーフとした作品です。豊島ではかつて絹糸の生産を行っていたそうで、いまでも桑の木が多く残っているそうです。 ※作品内部は撮影禁止。)
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(檀山にある豊玉姫神社を拝めるように、古民家の一部を切り取る形でリフォームしたのだそうです。)
ここで印象的だったのは、
ケグ・デ・スーザ「豊穣:海のフルーツ / 豊穣:山の恵み」。
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ステンドグラスのような美しい色の構造物と…びっくりするようなとても濃〜い匂い。
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(影も美しい…)
この匂い…海苔?!…でも、海苔ってこんなカラフルだっけ?!
こえび隊さんに伺うと、制作のために豊島で生産された古い海苔を集めたところ、家々の保存状態によって様々な色に変化した海苔が集まったのだそうです。(もとは私たちのよく知っている”黒い”海苔だったなんて…信じられない(*_*))
ワークショップで地元の人たちが考えた”保存食”の食材とレシピのついたカードも販売されていたのも面白かったです。
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(ところてんの”天草”って、はじめて触りました。)
■ 壇山の風景と豊かな湧水 唐櫃岡(からとおか)地区
豊島の豊かさを象徴する湧水「清水霊泉」のある唐櫃岡地区。
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ここにはお昼を食べられる
安部良さんの「島キッチン」や、
ピピロッティ・リストの映像作品「あなたの最初の色(私の頭の中の解-私の胃の中の溶液)」などがあります。
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ピピロッティ・リスト「あなたの最初の色(私の頭の中の解-私の胃の中の溶液)」。古い小屋のなかに現像的な映像が浮かび上がります。)
今年できた
スマイルズ「檸檬ホテル」は、指示に従って動くタイプの面白い作品で個人的には好きでした。
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(檸檬色に囲まれた
スマイルズ「檸檬ホテル」。宿泊もできるそうです。)
クリスチャン・ボルタンスキーの「ささやきの森」は、車では行けず(タクシーなどは来ていましたが)、結構山を登ります。往復で1時間くらい。
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(森のなかの様々な音に耳を傾けながら観る作品でした。)
面白かったのは、の豊島に移住されたご夫婦のユニット・
usaginingenによる
「ウサギニンゲン劇場」という、手作り楽器と手作り映像装置によるパフォーマンス。
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(劇場は「唐櫃の清水」のすぐ隣にあります。)
瀬戸芸の公式ではないので別料金になりますが、不思議な音と映像の奏でる心地よい素敵な30分間のパフォーマンスでした。(こちらのパフォーマンス、レンタカーあきさんに教えていただきました。ありがとうございます!)
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(この不思議な装置でリアルタイムに映像を作り出しています。1日3公演ありますが、毎回違うプログラムを公開されているそうです。)
■ 真っ白な砂浜が広がる 唐櫃浜(からとはま)地区
豊島のもうひとつの港”唐櫃港”のある唐櫃浜地区。
クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」は、とても美しい砂浜の中にあります。
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クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」。インスタレーションの他、PCでアーカイブされた心臓音を聞くこともできます。子どもたちの心臓音が大人よりも逞しい音に聞こえることにびっくりしたり。)
唐櫃岡と唐櫃浜の中間あたりにあるのが
内藤礼さんの「豊島美術館」。
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(美しい棚田がひろがる場所にあります。)
美術館といっても絵や彫刻があるわけではなく、窓から覗く豊島の森と空、吹き込む風、床を流れる水滴、水に反射する光、蝉の声… そんなものを静かに楽しむ空間です。
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(流線型の宇宙船のようでもあり、自然のなかの洞窟のようにもかんじられる西沢立衛さんの建築も素晴らしいです。)
いろんな作品を見たけど、この島の自然を切り取ってみると、それだけでもこんなに変化に富んでいて美しいんだなぁ…と気付かされます。
■ 豊島一周。高松へもどります。
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豊島では、丸一日かけて新しい作品を中心に島を一周しました。(今回も壇山には登れず…)
たくさんの自然と古民家が残っていて、その中に豊島にちなんだ現代アート作品が溶け込んでいるのがとても魅力的で、3回目ながらまた来たいなぁと感じる旅になりました。(豊島美術館は天候によって表情が変わるので、これだけでもまた来たいと感じます…)
山と海、両方の恵みが味わえる豊島。次にくるときには、その食にも触れたいなぁと思いながら高松に帰りました。
※大島編につづきます※